私のファーストキスもらって下さい。
俺と早紀が付き合っているということは、会社でもごく一部の人間しか知らない。
最初、そんな噂デタラメだろうと思ってた。
でも、早紀は俺を段々と縛りつけてくるようになった。
「誠二、今から来て。」
「今からって…」
突然、夜中に電話で呼び出されることもあった。
会うと必ず抱き着きながら、
「誠二、私は誠二だけよ?愛してる。」
そう微笑む。
俺だって、そうだよ。
早紀が好きだ。愛してる。
でも、早紀の愛がたまに
分からなくなるんだよ。