私のファーストキスもらって下さい。
鈴ちゃん。
俺の母校の高校に通う高校2年生の女の子。
鈴ちゃんは俺の妹、えみの友達…
いや、親友か。
幼なじみということで、俺も小さい頃から鈴ちゃんを妹のえみと同じように可愛がってきた。
「せいじくん。せいじくん。」
「ん?鈴ちゃん、どした?」
「よんでみただけー。」
いつもの鈴の音色のように可愛い声で
俺のことを兄貴のように頼ってくれた。
本当に可愛い妹のような存在。
鈴ちゃんは、小さい頃から周りとズバ抜けて、
美少女だったし、心配で仕方なかったな。
「鈴さぁ、モテすぎて私が困るわー。」
「は?何でお前が?」
親友である妹が、中学生になるとそんなことをぼやくようになるくらい。
「鈴のマネージャーだから。」
「プッ。」
「笑い事じゃないんだよっ!まったくー」
確かに中学生になって、益々鈴ちゃんの美少女度が上がった。
夏祭りで俺の大学のダチがナンパするくらいだから。
だから、心配性の兄(じゃないけど)としては、
ほんとに悩みの種なんだ。
一時期、えみとは仲良くやってるはずなのに、家に遊びに来なくなった時もあってちょっと心配したけど、就職してから偶然街で会って、ホッとした。
ま、そんな俺をいつまでも頼ってくれる鈴ちゃんは本当にいい子だよ。うん。
「兄としては悪い虫がつかないようにしてやりたいんだよな。」
「いや、兄貴じゃないだろ。」
頷く俺に隣で話を聞いていた佐々木が呆れたように言う。
いいだよ。俺はずっと優しい頼りがいのお兄ちゃんみたいな存在でいたいんだよ。
そんな感じで、今は高校生になった鈴ちゃんとメールのやり取りやCDを貸してあげたりしていた。
それが何でか最近楽しくて癒しになってる俺。