私のファーストキスもらって下さい。
それはある日、えみんちにお泊まりに行った時のこと。
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「鈴、ちょっと話したいことあるんだぁ…
今日、泊まりに来ない?」
「話し?うん、いいけど、今でもいいよ?」
放課後、いつにもなく真剣な表情のえみがそう言って私の席にやってきた。
「うん、まぁ、そのね、今でもいいような気もするんだけど、えーっとね、」
どうしたんだろ。
すごく迷ってるようなえみの様子に、何だかすごく心配になって思わず…
「わかった。今日、泊まりにいく!」
そう笑顔で答えると、えみはホッとしたように笑って“じゃ帰ろ!”と荷物を取りに行った。
えみがあんなに真剣な表情で話があるって…
高原さんのことかなぁ…
まさか、この恋諦めちゃうとか!?
とにかく、えみはすごく悩んでるに違いない。
今日はじっくり話を聞こう。うん。
と、心の準備を整え、えみと学校を出た。
「そう言えば、お兄ちゃんとメールしてるんだって?」
「ふぁい!?」
「え、そんな驚かなくても。」
「う、うん。」
一旦、うちに着替えを取りに寄った時…何気なくえみが聞いてきた。
なんで、えみがそれを?
「お兄ちゃんが、“この顔文字ってどういう時使うんだ?”っていきなりメール見せてくるから、何かと思ったら鈴のメールだったから。」
「そ、そっか。」
「鈴、」
な、何?
もしかして、鈍いえみも勘づいちゃった??
「お兄ちゃん、オッサンだから少しは手加減してあげてね。顔文字は、解説つきで。」
「ふ、ふふ。わかったっ。」
良かった。バレてない。
ホッと胸を撫で下ろす。
えみに打ち明けたい。
でも、打ち明けていいのか、悪いのか、イマイチ分かんなくて話せないでいるこの状況。
何とかしなくちゃなぁ…。