青の衝動

神様誕生

『神様誕生』




いつの時代の話だろうか、だけどもうずいぶん昔の事に感じる。
100年前か1000年前か、ましてやここでもない、次元の違う世界の話しかもしれない。

変革を望んだ世界の秩序は崩れ、人々は争い自然は怒り世界の終わりの鐘が鳴り響いた。

そんな中、彼は灰色の淀んだ世界の荒れ地に立ち尽くしていた。
もう救うことも出来ないここで、唯一澄んで綺麗な空を睨みただ立ち尽くしていた。


寂しそうに、悲しそうに、恨ましそうに、疎ましそうに、苦しそうに、妬ましそうに、後ろめたそうに、睨んでいた。


今でも覚えている。
彼の瞳。
空より澄んで怖いほど綺麗な蒼。

痩せてボロボロになった体、争いの中で負ったであろう傷、血まみれになった裸足、世界のように廃れ、その中で唯一の空のような瞳。