青の衝動
あろうことか私は彼に話しかけていた。
介入を許されないこの身で、彼に私は話しかけてしまったのだ。


ー…君はここで何をしてる?


彼の双眼の蒼が私をみた。
そしてまた空に視線を戻し、言う。


「死ぬのをまってる。」


確かにはっきりと聞こえた声。


ー…君が死ぬのを?


彼は首を振り私を睨み答えた。


「かみさまが死ぬのを待ってる。」


息を飲んだ、彼の視線と言葉と強い意志に、死ぬことのないこの躯が一瞬にして死にそうになった。


ー…恨んでいるのか?


私はその時震えていたのだと思う。
目の前にいるちっぽけで下らないと思っていた存在に恐怖を感じずにはいられなかった。


「かみさまが、この世界をいらないと決めて捨てたんだ。かみさまが死ねば、僕がかみさまになって、救うんだ。」
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