ぼ、僕に女装の趣味なんてありませんっ!!
校長先生は僕のこと、父さんから聞いてないのかな。
聞いてないか…。
僕がそんなことを思った時だった。
「あなたも、大変ですね。霧切零君。」
「え、なんで」
「お父様からお話は聞いてます。あと知ってるのは、保健室の先生ですから、体育で着替えたりするときは保健室の鍵をかけて着替えて下さいね。」
そんなに迷惑かけるの…なんか、気がひけるけど、1年だけの辛抱だもん。
「あ、そろそろ時間ですね。舞台に行きましょう。」
僕の事情を知ってる人が1人でもいるととても心強い。
舞台に校長先生と一緒に入ると、もうほとんどの生徒が集まっていた。