さえちゃんと真美

動揺と、私の心

新学期が始まった。


初日、私は登校して驚いた。

目を丸くして、驚いた。

「あの子、どうしたの？」

「何かあったの？」

「っていうか、イキってんの？」

「抵抗！？何？あれ？」


ザワザワ、ザワザワ

と、そんな会話が飛び交っていた。

私も、一語一句同じセリフを吐くほどの同感を覚えた。

「えっと…。」

思わず話しかけそうになった言葉をごくりと飲み込んだ。


（ルールよ、ルール。忘れたらダメ！）


さえちゃんが別人みたいになっていた。

肩より数センチ長いくらいの綺麗な黒髪はボブくらいの長さになっていて…

（っていうか、茶色？
学校にそんな髪で来てたら…。
一応、うちは進学校だよ…。
成績に響くし。
そして、少しメイクしてる…よね！？
それに、スカート。
短い。
かなり、短いよ？
そこからのぞく脚…。
ダイエットしたの？に、しても…
前から華奢なさえちゃんの脚、あれはちょっと異様だよ…。）