さえちゃんと真美
あり得ない現実
一瞬、最後の一口のアイスを落としそうになった。

(さえちゃんだっ!!)

さえちゃんが歩いてた。
隣には…また、違う男の人。
おじさん。

思わず、店を飛び出して、私は、私は、気付いたら、さえちゃんと、その男の人を‘つけて’いた。
心臓は、バクバクと…周りに聞こえていないか、さえちゃんに気付かれていないか、心配なほどの大きさでみゃくうっていた。

(なんで私、後を‘つけている’の?)
街の中心をしばらく歩いていった。
私も、見失わない程度に、大きく距離をあけてついて歩いた。

(どこへ、行くの?)

怖かったけど、後戻りも出来なかった。
中心街から急に横に曲がったので、私は小走りで同じ道に向かった。
曲がられて見失ったら大変だから。

中心街から一本路地に入っただけ。
それだけだったのに…そこは、見たこともない風景だった。
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