さえちゃんと真美

ルール

真美がいじめられなくなって数日たった。

もう、朝にクラスの子に「おはよう。」って、頑張って言わなくても「おはよう。」って言われるようになった。


嬉しい。


前は、私が他のクラスメイトに「おはよう。」って言っても無視されていたから…。

(本当は、私の声が小さくて聞こえなかっただけなんだろうけど…。)

今は「おはよう。」って言えば「あ、真美ちゃん、おはよう!」


…なんだ…簡単なことだった。


本当に嫌われていたのは“私”じゃなくて“さえちゃん”だったんだ。

話したりしなければ“私”は、普通に『クラス』の仲間。で、みんな友達だったってこと。

“さえちゃん”なんかと話さなければ、私は今までも『いじめられっ子』にならなくてもよかったんだ。


…あの子って、最低!


一つだけ『ルール』はある。
私も、絶対に前みたいにさえちゃんと、もう話したり、遊んだりしないこと。


これだけの『ルール』


もし話しかけられても無視するの。
じゃないと、さえちゃんの仲間だと思われてしまうからね。

男子の知らないところでいじめたりするんだ。
そんなことを知った。

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