雪の降る……

──私が 帰ってきたら


………結婚しましょう──




大きな手が 愛おしそうに

少女の頬を撫で


大きな指が

溢れ出した 真珠の滴をぬぐう



笑顔で見送ると 決めたのに……


哀しさが 堪えきれない



少女の顔から 表情が消え


ただ涙に濡れた 黒い瞳に

青年の 穏やかな微笑みが

映されていた




< 4 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop