幸せをもう一度
でも、
この日は
途中で薬が切れた。



体が解放された瞬間
私は海十を突き飛ばしていた。



多分、海十も予想外だったんだろう。


少し離れた場所で目を見開いて
驚いた顔をしていた。


でも、
すぐに
顔つきが変わった。




私は焦った。



だって、



海十は怒るとすぐに顔に出るし
何をしだすかわからない。



そして、

まさに今

怒った顔が目の前にあるのだ。



「なにすんだよ。」


「・・・。」


「なんで急に拒否るんだよ。」


えっ。

いや、

そもそも海十が勝手にやっただけで

私一度もこの行為を受け入れてないんだけど。



そんなこと、こんな空気で言えるはずもなく
黙っていると


「美琉希、お前・・・

 まさか。

 浮気してんのか」


「はっ!?」

意外な言葉に私は声を上げてしまった。


「してんのかって聞いてんだよ」

「いやいや。
 えっ、
 私達って付き合ってないでしょ」



あぁ。
言ってしまった。


しばらく私たちは言い合いをしていたが

我慢の限界に達した海十は
私を殴ろうとした。


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