幸せをもう一度
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はぁ、やっと着いた。
今日は朝から走りっぱなしだ。
そう思いながら家の鍵をあける。
ガチャ
「只今帰りました」
シーン。
誰もいないのかな?
まぁ、居たとしても返事が帰ってくるわけないか。
私は二階へと足を進める。
この家では二階にあがるのは私以外誰一人いない。
二階で一人暮らししているようなものだ!
だから、
洗濯物も洗い物、料理も全て自分でやらないといけない。
っと、
早く洗濯物とらなきゃ!
あー、この後どうしよう。
6時か…
今日の夜ご飯何にしようかな。
疲れたから簡単にご飯と味噌汁とちょっとしたおかずだけでいっか。
もう作り始めよう。
冷蔵庫を開けて材料を確認していると、
んっ、まさか。
「卵がない!!!!」
もう今から店に行くの面倒くさ、
でも、行かないといけないし…
しかたない。
自転車で行くか!!
自転車を準備していると、
妹の美姫が帰ってきた。
「おかえりなさい。」
一応声をかけると
「………」
やっぱり無視か。
まぁ、どーでもいいけど。
あっ、雨が弱くなってる。
今のうちに行こうっと。
私は近くのスーパーへ向かった。
卵を買ってついでに洗剤を選んでいると…
「美琉季?」
振り向いてみると
「晋也(シンヤ)?」
「やっぱり美琉季か、
お前変わったな~」
「どうして晋也がここに?」
晋也は、中学三年間仲のよかった男友達で
優しくて信頼できるやつだ。
普通なら親友との再会に喜ぶところだが、
今は喜びよりも驚きの方が大きい。
「海十(カイト)のお見舞いだよ!
隣町の病院に移動したの知らなかった?」
「知らなかった。
あっ今日はもう帰るね。
また今度!」
「あっ、あぁ、じゃあな。」
私は、急いで家に帰った。
頭の中が真っ白だった。
海十が隣町にいる。
なんで?
私がここにいるって
バレたらどうしよう。
ちょっと、
今日は色んな事がありすぎだよ。
私は
ベッドに入って目をつむると
すぐに意識を手放した。