夕焼けの約束



遥が俺の隣に座る。



俺の手を、指を絡めて握ってくる。



「どした⁇」



いつもと少し違う遥に戸惑う。



「ねぇ、和馬は覚えてる?『夕焼けの約束』」



ヒヤッとした。



もしかして、さっきの箱を見られてたとか⁉︎



「お、おぅ。それがどうした?」



「なんとなく」



「そっか...」



遥は話さなくなった。



俺達の前を、イルカが静かに泳ぐ。


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