ワインお作りします
言いながら渡したいものは何故だかしっかりポケットにある。
夢だから何でもありなのか?
だけど。
これ、一応夢だと思うし。
現実でお前が目覚めてから言いたいとか…
言ったら怒られるかな。
「また次に出かけた時に言う。」
これなら嘘にはならない。
この夢の終わりも知らないけどな。
「…わかった。」
ちょっと納得してなさそうな顔で渋々彼女は頷いた。
二人でもう一度桜を見上げる。
本当に幸せな夢だ。
***
空を見上げていると急に視界がゆがんだ。
あ、戻る。
そう思った。