ワインお作りします


(やっぱりな…。)

起きたらそこは病室だった。
ワインもない。
俺は彼女のベットに伏せるようにして寝ていた。

どこから夢見てたんだろうな…。

あの店も夢だったのか?
俺、疲れてる??

水でも飲もうと立ち上がろうとした時、ピンク色のものが目に入った。

「さくら…?」

それは桜の花びらだった。
今はまだ冬。
花びらはすべて蕾のはずだった。

夢のはずなのに。

「ん……。」

「え?」

戸惑っている俺に声が届く。
彼女の声。

彼女の方を見ると薄らと目を開けていた。

「…あ…れ?桜…見てたのに…?」

寝ぼけている。
彼女も同じ夢を見ていたんだろうか。

…じゃない!!

慌てて俺はナースコールを押した。


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