ワインお作りします
(こんなに呑んでも忘れないんだ…。)
悔しくて辛くて一晩で忘れてやろうと飲んだ結果、酔い潰れた設定みたい。
夢まで今の気分通りなんてね。
ま、いっか。
「………。」
とりあえず外に出ようと鏡を見た瞬間、絶句。
酔い潰れて化粧のまま寝た、バケモノみたいな顔を目撃。
髪もボサボサ。
肌も荒れ荒れ。
(ありえない…。)
本当に夢であって欲しい。
もしもこれが夢でなくて未来だとしたら悪夢だ。
高校生だから若いからってそこまで気は使っていないものの、こんなに醜くなるほど手を抜いているわけでもない。
言葉を無くしていると携帯のアラームが鳴った。
アラームを止め、画面を見てまた絶句。
「今日結婚式?!」
思わず一人なのに叫ぶ。
画面には
《親友と先輩の結婚式》
…と出ていた。
よく見ると写真は招待状だと解る。
それから、またこの惨劇に納得する。
招待状が届くくらいだから、ずっと二人には黙ってたんだろうな…。
仕方なく支度を始めた。
幸い、ドレスなんかは自棄にならず綺麗に用意されていた。