ワインお作りします
(何とか着いた…。)
目覚ましもギリギリ。
よっぽど行きたくなかったのだろう。
必死で支度して間に合った。
会場に着くと彼女からもらったメールに書かれた花嫁の控室を見つけた。
コンコン。
「どうぞ。」
「入るよー。」
中に入ると真っ白なドレスを纏った彼女が居た。
「来てくれたんだね。」
「うん。」
「ありがとう。」
彼女はニッコリ笑う。
本当に綺麗で可愛い。
彼女とは幼稚園から一緒。
いつだって敵わなかった。
ふんわり花のような笑顔を持ってるのに芯は強い。
先輩も彼女の笑顔を好きになったと言っていた。
その気持ちは私も解る。
だから諦めるしかなかった。
「じゃ、会場で待ってるね。」
「あ。待って。」
「ん?」
「これ。」
彼女からスッと手紙が差し出された。