ワインお作りします


(何とか着いた…。)

目覚ましもギリギリ。
よっぽど行きたくなかったのだろう。
必死で支度して間に合った。

会場に着くと彼女からもらったメールに書かれた花嫁の控室を見つけた。


コンコン。


「どうぞ。」

「入るよー。」

中に入ると真っ白なドレスを纏った彼女が居た。

「来てくれたんだね。」

「うん。」

「ありがとう。」

彼女はニッコリ笑う。
本当に綺麗で可愛い。

彼女とは幼稚園から一緒。
いつだって敵わなかった。
ふんわり花のような笑顔を持ってるのに芯は強い。

先輩も彼女の笑顔を好きになったと言っていた。

その気持ちは私も解る。
だから諦めるしかなかった。

「じゃ、会場で待ってるね。」

「あ。待って。」

「ん?」

「これ。」

彼女からスッと手紙が差し出された。


< 31 / 83 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop