ワインお作りします
取り出した緑の瓶は見ているだけでも元気が出そうな優しい色をしていた。
中に入った葡萄はくるくると回る。
それは私の時と同じだった。
「それでは。お姉さんの事を想いながら瓶を回して下さい。」
店員さんからワインを預かって、ゆっくりと回す。
お姉の彼が何で亡くなったのかは知らない。
元気そうだったし。
まだ若い。
イイ人ほど早く神様が欲しがって亡くなる。
そんな話を昔、誰かが話していたのを思い出した。
「ありがとうございます。」
店員さんは私から瓶を受け取ると蓋をして、袋に入れた。
「では。お渡し願えますか?」
「うん。」
店員さんはニッコリ笑った。
「それから。」
「ん?」
「本当は二回は来れないはずなのに来てしまったので…あなたにはこれを。」
そう言って苦笑いしながら彼は小さな小瓶をくれた。
ワインとは違う。
綺麗な褐色の液体が入っていた。
「これは…?」