ワインお作りします
「出来れば飲んでもらえると助かります。」
…という事は、忘れ薬みたいなやつかな?
やっぱり私の告白は無視する気なんだ。
「気が向いたらね。」
「気が向かなくてもお願いしたいです。」
彼はまた苦笑した。
きっと飲む気が無いのがバレてるんだろう。
とりあえず。
私はお姉の所に戻った。
*
「ただいま。お姉ー?」
ガチャ。
部屋の戸を開けるとお姉が居た。
泣き疲れて寝てるだけみたい。
少しだけ安心した。
独りにしておくと、本当は不安だった。
(…でもどうやって飲ませよう…。あ…!!)
寝ている隙に気付かれないように部屋に入る。
お姉のベッドの横にあったペットボトルにそっとワインを混ぜた。
これならきっと起きてから飲むだろう。
不思議とペットボトルの中身の色は変化しなかった。
一仕事終えた私はおとなしく自分の部屋に戻った。