ワインお作りします


         **

「ん…。」

夢を見てた。
彼のまだいる夢。

現実に起きた事だとまだ認められない。

とりあえず寝起きに隣のペットボトルから水分を摂る。
その瞬間、急に視界が揺れた。


          *

「ん…。」

また夢??

目を覚ますと草原に居た。
どこかで見た草原。

あぁ、そうだ。
ここ、最初に彼と出掛けた草原に似てるんだ。

「寝てたのか?」

やっぱり夢なんだと自覚する。
だって彼の声がする。

声の方を見ると彼が居た。

「大丈夫?」

心配そうに私を覗く彼。

いつだってそうだった。
自分より私。

嬉しいけど。
それが今回の事にも繋がってしまった。


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