ワインお作りします


それから、彼は少し黙った。

私たちは似ていた。
考え方がとても。
だからこれだけでも伝わるだろう。
そう思ったのは間違いじゃなかった。

「ごめん…。」

彼は沈黙の後、観念したようにそう言った。

「俺はもうあんまり長くない。」

本当は聴きたいわけじゃ無い。
聴いたところで認めたくない。

だけど…。

「最期まで隣にいる。」

あなたが何て言おうと。
あなたの隣に居ることが私の幸せだから。
知らない所であなた一人が苦しむのは嫌だった。

何も反論は認めない、そんな顔の私に彼は苦笑した。

「わかった。」

たったそれだけ。
笑顔で言った。



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