ワインお作りします


「飲みすぎたかな。」

水を取りに立って歩いた瞬間。
急に視界が変わった。


***


「え??」

私が立っていたのは三年前。
私の住んでた家の近くの公園だった。

上着も着てる。
靴も履いてる。
服装も違った。

何、寝てる…?
夢…?

さっきまで起きて、水を取りに行ったつもりだったのに。

「よお。」

一人でパニックしている中、急に聞こえた声に振り返ると、彼が居た。

「なんで…。」

やっぱり夢かもしれない。

もう居ないはずなのに。
もう二度と話なんて出来ないはずなのに。

彼がそこに居た。

「なんでって…お前が呼んだんじゃん。」

「そうなの…???」

呼んだ覚えないけど。

「は?大丈夫??」

彼は首を傾げている。
いや、私の方が傾げたい。

一つ解るのは…彼にやっと会えたという事。

彼は三年前に他界していた。
言いたい事も言えぬまま。
彼は命を絶っていた。


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