ワインお作りします


(メンドクサイ…。)

そうは思いつつも、こんな少女の為に彼が永遠に独りになる事は許せなかった。

「早くアレを飲まないと、あんたは死ぬよ。」

面倒くさい事なら手短に。
普通の人間なら1番恐るだろう事から述べてみる。
普通はだいたいこれで慌てるだろう。
別に細かな事を話す必要もない。

「どうして?」

あー。
やっぱり面倒くさい。

「お前は死ぬ。アイツはお前が死んだら永遠にココで独りだ。」

彼女は二度目の言葉に少し考えた。

「私が死ななければ彼は独りじゃないの?」

「………。」

だから人間は嫌いだ。

現実は見ない。
夢は追う。
全部は獲れないんだ。

「お前がアレを飲まない限り、アイツは永遠に死ぬ事が許されない。」

と言えば解るのだろうか。

少し彼女は考え込んだように見えた。
それでも即答しない当たりやっぱり面倒な相手だ。


< 60 / 83 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop