ワインお作りします



店員さんは居なくて、居たのは黒猫だけ。
しかも機嫌が悪くて偉そうな黒猫。
何故か小瓶を飲んでないことまでバレている。
ただの黒猫じゃない。

おまけに…

「お前がアレを飲まない限り、アイツは永遠に死ぬ事が許されない。」

とまで言う。
何様の猫よ。

聴いても教えてくれないし。
考えても想像でしかない。

「とりあえず、店員さんが来るまで待たせてもらうから。」

私の一言にまた嫌そうな顔。
猫のくせに嫌そうに見せるなんてなかなかすごい。

「勝手にしろ。」

黒猫はそういうなり、階段を上がっていた。

「勝手にするもん…。」

黒猫が居るならご飯あげにきっと来るんだろうし…。
店員さんにさっきの話は聞いてもいい。

大雨の日に一人は寂しいけど、のんびりと待つ事にした。




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