ワインお作りします
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「ここって…。」
そこは見覚えがある場所だった。
大切な人と、星を見た所。
そこで告白された事も思い出した。
最後に泣いた場所もそこだった。
「待った??」
急に聞こえた声に振り返ると、そこに彼がいた。
「大丈夫。」
いつもみたいに返事を返す。
その瞬間急に思い出した。
一緒に居た事。
一緒に居られなくなった事。
最後の別れ。
私が忘れていたのは彼の優しさだった。
彼の願いだった。
「ごめんなさい。逢いに来て。」
「大丈夫。」
彼はドキッとするような笑顔を見せた。
それから、彼は当たり前のように隣に並んで星を見上げた。
「伝えたい事、俺にだったんだ?」
やっぱり哀しそうな顔。
気持ちが少しだけ変わりそうになる。
だけど。
伝えたいと思うからここに居る。