ワインお作りします


それを聴けた私はどうするべき?

言ってもいいの?
本当の気持ち。

彼の願いとは反するけれど…

「私もしあわせだった。」

言いたい。
伝えたい。

その為に来たんだから…!

「あなたが好き。誰を好きになっても変わらない。好き。」

彼は静かにじっと見て聴いてくれてる。

「だから、私、あなたを忘れたくない。泣かないって約束するから。忘れたくない。」

彼の瞳はやっぱり切なく寂しい色になる。

好きだから哀しい想いはさせたくない。
だけど。
これだけは譲れない。

「覚えていてもいい…?」

彼の瞳は揺れていた。

きっと。

ダメとも言えなくて。
イイとも言えない。

そんなの解ってる。


< 77 / 83 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop