双子ラヴァーズ☆
ユウリはそれだけ言うと、彼女と一緒にどこかへ行こうとしていた。
まだ彼女はユウリの腕に絡みついている。
それを拒絶することなく、ユウリは去ろうとしていた。
“シュリはちょっと誤解してるんだよ。
その子はシュリでなく俺を選んだって思ってるけど、俺は知らなかっただけなんだ。
気付いたのが遅かったってだけで”
ユウリだって、絶対傷付いた筈なんだ。
今だってきっと、嫌な思いをしてる筈。
私はユウリの元へ走り寄ると、彼女が掴んでいる反対の腕をぐいっと引っ張った。
「ユ、ユウリ!待って!」
二人は驚いた顔を私に向けた。
目を真ん丸にしているユウリから、私は隣の彼女へと視線を移す。
それから、意を決して口を開いた。
「えっと、ご、ごめんなさい。今日は三人で遊ぶって言ったんです!」
「え」
「私、シュリと付き合ってません!二人とも大切なお友達です」
「……」
「なので、今日は返してください」
「嫌だって言ったら?」
ふふって微笑む彼女は、くりくりとした瞳を細めた。