双子ラヴァーズ☆
「さすがに振った相手とずっと一緒にいるのは、レナちゃんが気まずいでしょ。
……それに、俺も辛いから。はは。こっちが本当かも」
「ユウ、リ」
「ごめんね。一人残して。それじゃあ」
そう言うと、こちらを振り向くことなくユウリは階段を駆け下りて行った。
私は呼び止める事なく、その後ろ姿を見送るしか出来なかった。
正確には、声にならなかった、が正しい。
涙が溢れて止まらなかったからだ。
明日からユウリは私に笑いかけてくれるのか。
もう、きっと好きだなんて言ってくれない。
ユウリの中で、白黒つけたかっただけなんだ。
優しいユウリの事だから、振られた相手にいつまでも好きだなんて言わない。
気にしてしまうから。
それでも、私はユウリにイエスとは言えなかった。
胸を張って好きだって言えない相手と付き合うなんて出来なかった。
そして、ユウリと付き合うって事は同時にシュリを振るって事になる。
それは出来なかった。