双子ラヴァーズ☆
お弁当なんて一口も喉を通らなかった。
私は昼休み中、ずっと泣いていた。
トイレで顔を洗ってからぼーっとしたまま、チャイムギリギリで教室に戻った私は自分の席に座る。
ユウリは既に席に座っていて、私が席に座っても一度もこちらを見なかった。
それにまた涙腺が刺激される。だけど、皆がいるんだ。泣く事も出来ない。
爪を手の平に食い込ませ、必死に涙を我慢した。
午後の授業なんて一切頭の中に入って来なかった。
全て耳を素通り。ノートを取る事だって出来なかった。
何も手につかない。右隣に座っているユウリが気になって。
放課後になっても、ユウリは私に話しかけることなく教室をさっさと出て行った。
声をかける事も出来ないまま、私は溜め息を一度吐くと帰りの準備をした。
その後ろから声をかけてきたのはトモコだ。
「レナ」
「……トモコ」
「何があった」
何も言わなくたってわかっていると思う。
あんなに私にべったりしていたユウリが、昼休み終わりから私に話しかける事すらしないんだ。
トモコじゃなくたって、余程鈍くない限り何かあった事ぐらいバレバレだ。