四月の魔女へ ~先生と恋に落ちたら~
あの日から一週間私は学校を休んだ。

退院させてもらった割には、体中が痛くて動けなかったのだ。


久しぶりに学校へ行くと、智が駆け寄ってきた。


「詩織、大丈夫?階段から落ちたんでしょ?」

「うん。心配かけてごめんね!」

「ううん。……でもさ、詩織って運動神経いいのにどうして?」


さすがだ。
友達二年目の智は鋭い。


「徹夜したらめまいがしちゃって。」

「徹夜?なんか課題あったっけ。」

「ううん。ケータイ小説読んでた。」

「……詩織が?なんかイメージ違うなぁ。」

「そう?」


私の苦し紛れの言い訳に、智は首をひねった。

智はいい。

純粋に素直に生きていて。


夏目を一番幸せにできるのは、もしかしたら智かもしれないと私は思った。
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