四月の魔女へ ~先生と恋に落ちたら~
その日は昼ごろになって、土砂降りの雨が降り始めた。


私は窓の外に向けていた目を、手元の紙切れに移す。

午前中は学校に連絡して、遅刻扱いにしてもらった。

それで、調べたのだ。

役場まで出向いて。



住所は東京都だった。

まさか、そんなに離れた場所に父親がいるとは思わなかった。


迷わずに行けるとは思わない。

でもよかった。

どうなってもいいと思った。

父親に会いに行くこと、それは私の中で一種の使命と化していたのだ。



そして放課後。



私は一通のメールを無視した。
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