四月の魔女へ ~先生と恋に落ちたら~
「詩織へ」



今、小川に急かされて書いているから、字が荒くなっていて申し訳ない。


もう一週間経つけれど、相変わらずみたいだね。

俺は君をそこから救い出してあげたい。

でも、俺も胸を張って君を連れ出せるようなことはしていないんだ。


悪いね、もう少し耐えてくれないか。


俺は今、いろいろなことに挟まれている。

特に篠原さんは、別れることに反対しているんだ。


すべては俺が招いた結果。

自業自得なんだけどね。


詩織には本当に申し訳ないことをしたと思っている。

君が今こんな状況なのも、すべてが俺の責任だから。


もう少し、もう少したったら、すべてがうまくいく。


だから、俺を信じて待っていてほしい。


絶対に助けに行くから。

待っていてほしい。


もう時間がないみたいだ。

小川が焦っている。


書きたいことは山ほどあるけれど、今日はこのくらいにしておく。


じゃあ。

愛してるよ。



夏目
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