四月の魔女へ ~先生と恋に落ちたら~
「詩織へ」


まず最初に、質問の答えから。


俺は、君に会えて幸せだったと思う。

当たり前じゃないか。

後悔なんてしていない。


君の手紙を読みながら、涙がこぼれて仕方がなかった。

俺も君と、普通の恋がしたかったよ。


俺が家に帰るとき、窓からいい香りが流れてくるんだ。

玄関のドアを開けると、エプロンをかけた君が、おかえり、と言って迎えてくれる。

俺はただいま、と言いながら、そっと君を抱き寄せるんだ。

照れた君が向こうへ行ってしまったら、それについて中に入っていく。

テーブルには君の得意料理が並んでいるんだ。

そうだな、オムライスがいいな。

テーブルの上には明るい電気がついていて、二人の食卓を優しく包んでいる。

まるで二人の未来を、照らしているかのようにね。


詩織、迎えに行くよ。

君をこれ以上、一人にしておけない。

それに俺も……、もう耐えられそうにないんだ。


待っていて。



夏目
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