四月の魔女へ ~先生と恋に落ちたら~
私は、夏目に何を尋ねたかったのだろう。


私は、一人の帰り道でずっと考えていた。


人とは深く関わらない、って決めたのに。
もう苦しむのは、大事なもの失くすのは嫌だから。


それに、どんなに望んだって、私の罪は消えない。


なのにどうして、私は夏目に……。


聞いてほしい、と思ってしまうんだろう―――



雨の音が、心を乱していく。

あの日の光景が、脳裏に張り付いて消えない。



あの日、私のせいで冷たい雨に濡れながら母は……。

ごめんなさい。

ごめんなさい。




私が、お母さんを殺したの―――――





何千回、何万回繰り返したか分からないその言葉が頭をめぐる。

もう、私は壊れてしまいそうだった。
< 17 / 182 >

この作品をシェア

pagetop