四月の魔女へ ~先生と恋に落ちたら~

真実

瞼を通して、まぶしい光を感じた。

小鳥のさえずりも聞こえる。


私はそっと目を開けた。


一瞬、どこにいるのか分からなくなった。

でも、すぐに思い出す。

私はあの地獄のような家から、やっと出ることができたんだ。

そして、ここは夏目の家。

泣きながらオムライスを食べて、一緒に眠ったんだ。


「先生、」


ふと横を見る。

そこにいるはずの温もりは、どこにもなかった。


「先生、先生!夏目先生!!」


布団をはねのけて身を起こす。

台所も、リビングも、お風呂場もすべて見回したのに、夏目の姿はなかった。


「嘘だ、嘘でしょ……。」


そして、リビングの机の上に置かれた手紙と、夏目の部屋の鍵、それから母のハンカチを見つけた。


「嘘つき。」


私は弱々しく一言つぶやいて、震える手をそっと手紙に伸ばした。
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