四月の魔女へ ~先生と恋に落ちたら~
学園祭当日。
私が一人で仕上げたクラス旗も、もちろん審査の対象だ。
今まで参加していなかった分、どうなるか心配で眠れないほどだった。
「詩織ー、クラス旗の発表もうすぐだね!」
「うん。緊張してる。」
「私、まだ見てないんだけど、詩織の旗。」
そう、私は結局誰にも見せずに黙々と進めて、今日の日を迎えたのだ。
しかも、審査発表は学園祭の開祭式。
体育部門の時には応援にも使う、大事な旗。
「では発表に移ります。まず、三位は・・・」
お願い、呼ばれないで。一位じゃないと意味がないの――
「1年2組!」
ほっと息をつく。
「次は、2年・・・」
「来たんじゃない、詩織ー!」
「3組!」
クラスの温度がちょっと下がった気がした。だって、1位はいつもなら、3年1組って決まっているから……。
お願い、と手を合わせる。
「一位は……」
時が止まったように体育館が静かになる。私は耳をふさぎたくなった。
「2年1組!!」
え……。
時がまた流れ出す。
私の周りがやけに騒がしい。
もうーうるさいよ、と言おうとしてみんなが笑っているのに気付いた。
「すごいよ、詩織!3年生に勝ったよーー!!」
「小倉すげー!」
「てか、何あの絵、うますぎー!!」
急に頬が熱くなって、涙が出そうになった。
「なによ、あたりまえでしょ!」
私の怒ったような口調に、またみんなが笑った。
「小倉のおかげで俺ら今年、優勝できるかもよ!!」
「おーっっ!!」
うるさいくらいのみんなの歓声。
去年まで下らないって思っていたことが、やけに大切に思える。
「もう私役目果たしたんだから、あとは任せるから!」
「ばか!おまえ実は足も速いこと、俺は知ってんだからな!」
と言ったのは委員長。
「冗談!」
言いながら、まるで中1の頃に戻ったみたいだと思った。
なんにも無理しないで人と付き合ってた頃の・・・。
私は久しぶりに、心の底から笑っていたんだ。
私が一人で仕上げたクラス旗も、もちろん審査の対象だ。
今まで参加していなかった分、どうなるか心配で眠れないほどだった。
「詩織ー、クラス旗の発表もうすぐだね!」
「うん。緊張してる。」
「私、まだ見てないんだけど、詩織の旗。」
そう、私は結局誰にも見せずに黙々と進めて、今日の日を迎えたのだ。
しかも、審査発表は学園祭の開祭式。
体育部門の時には応援にも使う、大事な旗。
「では発表に移ります。まず、三位は・・・」
お願い、呼ばれないで。一位じゃないと意味がないの――
「1年2組!」
ほっと息をつく。
「次は、2年・・・」
「来たんじゃない、詩織ー!」
「3組!」
クラスの温度がちょっと下がった気がした。だって、1位はいつもなら、3年1組って決まっているから……。
お願い、と手を合わせる。
「一位は……」
時が止まったように体育館が静かになる。私は耳をふさぎたくなった。
「2年1組!!」
え……。
時がまた流れ出す。
私の周りがやけに騒がしい。
もうーうるさいよ、と言おうとしてみんなが笑っているのに気付いた。
「すごいよ、詩織!3年生に勝ったよーー!!」
「小倉すげー!」
「てか、何あの絵、うますぎー!!」
急に頬が熱くなって、涙が出そうになった。
「なによ、あたりまえでしょ!」
私の怒ったような口調に、またみんなが笑った。
「小倉のおかげで俺ら今年、優勝できるかもよ!!」
「おーっっ!!」
うるさいくらいのみんなの歓声。
去年まで下らないって思っていたことが、やけに大切に思える。
「もう私役目果たしたんだから、あとは任せるから!」
「ばか!おまえ実は足も速いこと、俺は知ってんだからな!」
と言ったのは委員長。
「冗談!」
言いながら、まるで中1の頃に戻ったみたいだと思った。
なんにも無理しないで人と付き合ってた頃の・・・。
私は久しぶりに、心の底から笑っていたんだ。