四月の魔女へ ~先生と恋に落ちたら~
授業の後さりげなく先生が智のノートを覗いていた。


「小川、汚い字だなあ。」

「は?先生ひっど。」


私は、すぐにノートを片付けて教室を去ろうとした。


「詩織!待ってよー。」


智に続いて数人の女子に固められる。


「ねっ、明日さー、」


心の中には、すでに答えが準備されている。



ごめんねー、明日用事があって行けないの。

また今度誘ってね。



見透かしたように夏目が横を通って行った。

心なしか懐かしい香りがした。
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