四月の魔女へ ~先生と恋に落ちたら~
家に帰って段ボール箱におが屑を敷き詰めた。

白熱電球をセットして、おが屑の上を照らす。


「ごめんね、ヒヨコちゃん。寒かったね。」


心なしか元気がないヒヨコを離すと、すぐに電球の近くに移動した。

そう、こうやって大きな段ボール箱を使うのは、距離によって温度調節するためだ。

暑かったら勝手に電球のそばから離れるし、寒かったら近づく。

ヒヨコが勝手に温度を調節できる。

夏目が教えてくれた。


「ひよこちゃんかあ……。」


私はヒヨコを見つめながらじっと考えた。

オスでしょ。

何て名前がいいかな。


そして私はとっても単純な名前を思いついた。


「なつ……。君の名前はなつ!」


だって夏休みだもん。

ちょっとだけ、いやかなり、不純な動機が混じっていたことは内緒。


夏目との、可愛い秘密を、私は心から大事にしていた。
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