四月の魔女へ ~先生と恋に落ちたら~
次の朝起きると体が重かった。

ベッドから立ち上がるだけで、頭がくらくらする。

まずい……そう思って体温計を探す。


38度9分。


嘘でしょ……。


そして、ふと思い出した。

今日はみんながうちに来るって言ってたんだっけ。


この際、学校を休んでしまおう。

そうすれば、うちに来る計画もなくなるよね。


そう思って、ふらふらと階段を降りて行った。



台所に立つ叔母の背中。

話しかけるのが、怖い。



「叔母さん、」

「あら、どうしたの。」

「今日、学校休もうと思って。風邪ひいちゃったみたいで。」

「あら、それなら今日は友達来ないわね。」

「あ……多分。」

「よかったわー。ほら、お掃除とか大変でしょ。」



ほらね。

優香が友達を呼ぶときは、張り切って掃除するのに。



「優香にうつさないようにしなさい。」

「はい。ごめんなさい。」



結局、私を心配してくれる一言すらなかった。


心が泣いていた。
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