四月の魔女へ ~先生と恋に落ちたら~
叔母と話したら余計体が重くなって、私はやっとのことで階段を上るとベッドに突っ伏した。


学校に電話しなきゃ……


そう思っていたのに、いつのまにか眠ってしまった。


どのくらい経っただろうか。

私はケータイの着信で目を覚ました。

幸い手の届く範囲にあったので、咳払いをしてから出る。


「はい。」

「夏目だ。今日は休みか?」


私はやっと、学校に電話をしていなかったことに気付いた。


「あ・・・えと、」

「さぼりか。」

「いえ!」

「休むんだったらちゃんと連絡をすること。いいか。」

「はい。すみません。」

「じゃあ。職員会議だから。」


そう言って電話は一方的に切られた。


「ひどい、」


聞いてくれたっていいじゃん。

さぼりだって、決めつけるなんて―――


そんなの、私が思ってた夏目じゃない。


ベッドに横になったらひとりでに涙がこぼれた。



母が亡くなってから、ずっと我慢してたのに、どうしてこんなことで泣くのか自分でもよく分からなかった。




ただ、本当に一人ぼっちになったような気分だった。
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