一瞬のヒカリ
かつては、薬と酒を飲んで訳が分からなくなり鉄柱に車をぶつけた事もあった。
飲み屋街で倒れてしまいボコボコに殴られた事もあったのだ。
僕は相手を注意しながら車のスピードを少し落とした。
スポーツカーの連中は、追い抜かずにピタッと僕の後ろに付いた。
やれやれだ。
よく見ると若いようだ。
僕は、やめておきなさいよと相手に対して独り言を呟いた。
怒りはないのだ。
薬のお陰で怒りは無くて冷静だ。
僕は広いコンビニの店からなるべく離れた場所に車をゆっくり入れる。
シートから一錠だけ薬を飲むと相手が横に車をつけた。
二人とも二十代のようだ。
皮の手袋をゆっくりはめると相手がどう来るか待った。
車から二人とも降りて何か大きな声をあげた。
どうやら僕の車の抜き方が気に食わないらしい。
何でも気に食わない年頃だと思う。
照り焼きチキンの量少なくてもこういう奴は気に食わないのだ。