人間不信__【憂鬱】
__疑い
たまに思うことがある
タケルはどうして僕なんかに絡んで来るのかを
いや・・彼はみんなに信頼されている男子だからこんな根暗な僕にも話しかけてくるのだろう・・
でもそれは僕にとっては不愉快だった
____きっと彼にとって僕は道具なのだ
タケルは誰ともはなさない僕と話して
「アイツは根暗にも話しかけてやれるいい奴だ」
と信頼を得るために僕に話しかけているんだ
今だってこいつは
楽しそうに話しといて
裏では不気味に笑って舌を出しているのであろう
わかる・・・・言わなくてもわかる
何故なのかわからないが
いつからか人の本心がわかる気がした
でもそれは悪魔でも「気がする」だけだ
タケルのことだって本当にそうなのか断言はできない
特別な力があるわけではない
___________ネガティブなだけだ
全部ダメな方向に持って行ってしまう
少しもメリットが得られる方向に持っていけない
だから・・・・
裏切られても気にしないように生きているんだ
「お~い~春也~?」
はっとして目の前にいたタケルを見る
「・・・うるさい」
どうやら寝ていたようだ
「えぇ・・・起こしてやったのになぁ~」
「なら起こさなくていいよ」
タ「ちぇ・・・まっもう帰れるから我慢しろよ」
そう言って自分の席に戻っていった
・・・・・どこの先生だよ貴様は・・・
「・・・・寝不足ですか?」
背後から声がした
振り向いたらそこにはコトネがこちらを見ていた
彼女が話しかけてくれるなんて珍しい
「・・・・そうかもしれない」
それだけで済まそうと前を向いた
「あ・・・・・」
彼女の何か言いたげな声が聞こえる
僕はなんとなく彼女の方をまた見た
「・・・・・・」
「え・・あぁ・・・えと・・・」
彼女は何か言おうとしているが言葉が整理できないらしい
そして周りを見渡して
こっちに目を向けた
「あ・・・あの・・!!」
するとドアが開いた
担任の教師だ
「よ~し、帰りの会を始めるぞ~ってタケル席に座れ」
コトネは悲しそうに俯いた
何が言いたかったのかわからない
僕は黒板の方を見た
間抜けなタケルの声が響いた
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・ねぇ。」
帰りの挨拶をしてみんなが群れのように流れながら教室を出ている中
コトネを引き止めた
「・・・・・・・・・・・」
コトネは俯き何かに怯えているようだ
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
_______沈黙
引き止めたのは僕だ、
話をするべきなのは僕だ
だけど僕は口を開かなかった
ただただ彼女の顔を見据えるように見ていた
_______僕は彼女が・・・・彼女の口から言葉が出るのを待っていた
___________________それでも続く沈黙
僕はもうだめか、と思いながら口を開こうとした
だが
「・・・・・・・・な・・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・何か・・・・ご・・よう・・・ですか・・・・・?」
彼女は自ら口を開き言葉を言った
だがそれも会話につながるようなものではなかった
だけど僕はそれでもよかった
僕は『彼女は話せる』ことに満足した
「・・・・・・・・ふぅ」
僕は一息ついて
たずねた
「・・・・・・・・・さっき・・・僕になんて言おうとしたの?」
彼女は怯えているようで
唇を噛み締めて俯いてこちらをみない
その様子を見て僕は彼女が『僕のことを信用してない』ってことを理解した
別に僕は構わない
どうせこんな世の中だ
普段話さない彼女もそういう人の仲間なんだ・・・・・・
「・・・・・あのさぁ・・・・・・」
コトネは僕の言葉にびくりと体を振るわせた
「・・・・・は・・・・・ぃ・・・・・?な・・・な・・・んでしょうか・・・・・・?」
やっと彼女は僕の顔を不安そうにみた
彼女は言葉をつなげるのにもかなり体力使っているかのように
必死に言葉らしき言葉を話そうとしていた
「ちゃんと質問に答えたら?僕は別に君の事を脅してないよ?脅して『金よこせ』って言っているわけではないんだよ?・・・・・・・・僕のことを信用してないってことはわかったけどさ・・・・・・・そんなんじゃあ僕はまだいいけど、他の人に見てもらえなくなるよ?・・・・・・・・まぁ君がそれでもいいっていうなら別だけど」
僕にしてはよくしゃべった方だ
普段、振られた話題に相槌しか打たない僕が
自分から話を振るというのは滅多になく
珍しかった
「え・・・・・・・ぇ・・・・・と・・・・・・・・あ・・・・の・・・ぉ・・・・・」
コトネは今にも逃げ出してしまいそうなほど体を震わせ
怯えていた
目元が潤んでいるように見えた顔を俯かせる
このままじゃまた沈黙が続きそうだ
しょうがない
「・・・・・・・・・いいかげん・・・・・
「ご・・・・・・ごめんなさぁぁい!!!!!!!!!っ!!」
僕が最後まで言い終わらないうちに
コトネは走り出していた
あっという間に教室は僕以外には誰もいなくなり
先ほどまでとはちがう
沈黙が訪れた
「・・・・・・・・・はぁ」
彼女には申し訳ないことをしてしまったかもしれない・・・・・・
そろそろ僕も帰ろうとした
「み~ちゃった~きいちゃった~~~」
声のするドアのほうをみると
『面白いものを見つけた』といわんばかりのニヤついた表情をしている
タケルがたっていた
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「なになに~~どういうことだよぉぉ~~」
「うるさい、お前には関係ない、あとそのニヤついた顔気持ち悪い」
「うえ~~ん~ひ~ど~い~な~も~う~」
「そんなに照れなくてもいいじゃないか~」というタケルの呟きを聞き逃さなかったが僕は相手にしてると終わりがないと思ったので無視した
僕は机の上にずっと放置されていたバックを手に取った
だがまだ机の中に筆箱が入っていたのに気づきバックを再び机において筆箱をバックに入れようとバックのチャックを開けた
その間タケルは
「なるほどなるほどそういうことか~」
とか
「今朝のはやっぱり恋わずらいだったんだな~~」
などと一人で
誰かに向かって話しかけていた
(僕に話しかけているのだろうけど)
「春也そんな気を落とすな?相手も緊張してたんだよ~まだまだこれからだし、機会もまだいっぱいあると思うぞ~?
そうだ!もうすぐ夏休みで祭りとかも色々あるだろうし今度あの子誘って一緒に遊びに行ったらどうだ?
あっごめん、今回のことで春也が自分から藤花コトネを誘うのはむず」
「あ~!うるさい!黙れ!なんでお前が口出し済んだよ、お前には全く関係ないだろ?いつもそうやって邪魔してはよくニヤニヤしてられるね」
僕はいいかげんにタケルがうるさくてたまらなく
怒鳴った
だが・・・・タケルには逆効果だった
「・・・・・・・・春也、ごめん」
「・・・・」
「俺、誤解してた」
「分かればいいよ」
「お前がそんなにも恋愛に夢中になるなんて・・・・・・・・!!!!」
「・・・・は?」
・・・・さらに誤解を招いてしまったようだ
「ごめんな、俺さっきまで悪ふざけだったんだ、おふざけでお前の恋を応援してたんだよ!でも・・・・・・お前が本当に藤花のことが好きだったなんて・・・・・・・!!ごめん!ごめんな!俺、これからお前の恋を邪魔しないように遠くから見守ってるからな!」
タケルはすばやく土下座をして顔だけ僕のほうに向けた
「ちょ・・・ちょっとま」
タケルは僕の言葉に耳を貸さずに立ち上がった
「じゃあ俺これから藤花さんの情報集めてくるから!あッ心配すんなよ!邪魔しないから!!」
「だから違」
「じゃあな!!アデュ~!!」
タケルは泳ぐように走ってドアから姿を消した
そのあと「おいこらそこ!走るな」という先生らしき声と「す、スンませ~ン!!」というマヌケな友人の声が廊下に響いた
タケルはどうして僕なんかに絡んで来るのかを
いや・・彼はみんなに信頼されている男子だからこんな根暗な僕にも話しかけてくるのだろう・・
でもそれは僕にとっては不愉快だった
____きっと彼にとって僕は道具なのだ
タケルは誰ともはなさない僕と話して
「アイツは根暗にも話しかけてやれるいい奴だ」
と信頼を得るために僕に話しかけているんだ
今だってこいつは
楽しそうに話しといて
裏では不気味に笑って舌を出しているのであろう
わかる・・・・言わなくてもわかる
何故なのかわからないが
いつからか人の本心がわかる気がした
でもそれは悪魔でも「気がする」だけだ
タケルのことだって本当にそうなのか断言はできない
特別な力があるわけではない
___________ネガティブなだけだ
全部ダメな方向に持って行ってしまう
少しもメリットが得られる方向に持っていけない
だから・・・・
裏切られても気にしないように生きているんだ
「お~い~春也~?」
はっとして目の前にいたタケルを見る
「・・・うるさい」
どうやら寝ていたようだ
「えぇ・・・起こしてやったのになぁ~」
「なら起こさなくていいよ」
タ「ちぇ・・・まっもう帰れるから我慢しろよ」
そう言って自分の席に戻っていった
・・・・・どこの先生だよ貴様は・・・
「・・・・寝不足ですか?」
背後から声がした
振り向いたらそこにはコトネがこちらを見ていた
彼女が話しかけてくれるなんて珍しい
「・・・・そうかもしれない」
それだけで済まそうと前を向いた
「あ・・・・・」
彼女の何か言いたげな声が聞こえる
僕はなんとなく彼女の方をまた見た
「・・・・・・」
「え・・あぁ・・・えと・・・」
彼女は何か言おうとしているが言葉が整理できないらしい
そして周りを見渡して
こっちに目を向けた
「あ・・・あの・・!!」
するとドアが開いた
担任の教師だ
「よ~し、帰りの会を始めるぞ~ってタケル席に座れ」
コトネは悲しそうに俯いた
何が言いたかったのかわからない
僕は黒板の方を見た
間抜けなタケルの声が響いた
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・ねぇ。」
帰りの挨拶をしてみんなが群れのように流れながら教室を出ている中
コトネを引き止めた
「・・・・・・・・・・・」
コトネは俯き何かに怯えているようだ
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
_______沈黙
引き止めたのは僕だ、
話をするべきなのは僕だ
だけど僕は口を開かなかった
ただただ彼女の顔を見据えるように見ていた
_______僕は彼女が・・・・彼女の口から言葉が出るのを待っていた
___________________それでも続く沈黙
僕はもうだめか、と思いながら口を開こうとした
だが
「・・・・・・・・な・・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・何か・・・・ご・・よう・・・ですか・・・・・?」
彼女は自ら口を開き言葉を言った
だがそれも会話につながるようなものではなかった
だけど僕はそれでもよかった
僕は『彼女は話せる』ことに満足した
「・・・・・・・・ふぅ」
僕は一息ついて
たずねた
「・・・・・・・・・さっき・・・僕になんて言おうとしたの?」
彼女は怯えているようで
唇を噛み締めて俯いてこちらをみない
その様子を見て僕は彼女が『僕のことを信用してない』ってことを理解した
別に僕は構わない
どうせこんな世の中だ
普段話さない彼女もそういう人の仲間なんだ・・・・・・
「・・・・・あのさぁ・・・・・・」
コトネは僕の言葉にびくりと体を振るわせた
「・・・・・は・・・・・ぃ・・・・・?な・・・な・・・んでしょうか・・・・・・?」
やっと彼女は僕の顔を不安そうにみた
彼女は言葉をつなげるのにもかなり体力使っているかのように
必死に言葉らしき言葉を話そうとしていた
「ちゃんと質問に答えたら?僕は別に君の事を脅してないよ?脅して『金よこせ』って言っているわけではないんだよ?・・・・・・・・僕のことを信用してないってことはわかったけどさ・・・・・・・そんなんじゃあ僕はまだいいけど、他の人に見てもらえなくなるよ?・・・・・・・・まぁ君がそれでもいいっていうなら別だけど」
僕にしてはよくしゃべった方だ
普段、振られた話題に相槌しか打たない僕が
自分から話を振るというのは滅多になく
珍しかった
「え・・・・・・・ぇ・・・・・と・・・・・・・・あ・・・・の・・・ぉ・・・・・」
コトネは今にも逃げ出してしまいそうなほど体を震わせ
怯えていた
目元が潤んでいるように見えた顔を俯かせる
このままじゃまた沈黙が続きそうだ
しょうがない
「・・・・・・・・・いいかげん・・・・・
「ご・・・・・・ごめんなさぁぁい!!!!!!!!!っ!!」
僕が最後まで言い終わらないうちに
コトネは走り出していた
あっという間に教室は僕以外には誰もいなくなり
先ほどまでとはちがう
沈黙が訪れた
「・・・・・・・・・はぁ」
彼女には申し訳ないことをしてしまったかもしれない・・・・・・
そろそろ僕も帰ろうとした
「み~ちゃった~きいちゃった~~~」
声のするドアのほうをみると
『面白いものを見つけた』といわんばかりのニヤついた表情をしている
タケルがたっていた
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「なになに~~どういうことだよぉぉ~~」
「うるさい、お前には関係ない、あとそのニヤついた顔気持ち悪い」
「うえ~~ん~ひ~ど~い~な~も~う~」
「そんなに照れなくてもいいじゃないか~」というタケルの呟きを聞き逃さなかったが僕は相手にしてると終わりがないと思ったので無視した
僕は机の上にずっと放置されていたバックを手に取った
だがまだ机の中に筆箱が入っていたのに気づきバックを再び机において筆箱をバックに入れようとバックのチャックを開けた
その間タケルは
「なるほどなるほどそういうことか~」
とか
「今朝のはやっぱり恋わずらいだったんだな~~」
などと一人で
誰かに向かって話しかけていた
(僕に話しかけているのだろうけど)
「春也そんな気を落とすな?相手も緊張してたんだよ~まだまだこれからだし、機会もまだいっぱいあると思うぞ~?
そうだ!もうすぐ夏休みで祭りとかも色々あるだろうし今度あの子誘って一緒に遊びに行ったらどうだ?
あっごめん、今回のことで春也が自分から藤花コトネを誘うのはむず」
「あ~!うるさい!黙れ!なんでお前が口出し済んだよ、お前には全く関係ないだろ?いつもそうやって邪魔してはよくニヤニヤしてられるね」
僕はいいかげんにタケルがうるさくてたまらなく
怒鳴った
だが・・・・タケルには逆効果だった
「・・・・・・・・春也、ごめん」
「・・・・」
「俺、誤解してた」
「分かればいいよ」
「お前がそんなにも恋愛に夢中になるなんて・・・・・・・・!!!!」
「・・・・は?」
・・・・さらに誤解を招いてしまったようだ
「ごめんな、俺さっきまで悪ふざけだったんだ、おふざけでお前の恋を応援してたんだよ!でも・・・・・・お前が本当に藤花のことが好きだったなんて・・・・・・・!!ごめん!ごめんな!俺、これからお前の恋を邪魔しないように遠くから見守ってるからな!」
タケルはすばやく土下座をして顔だけ僕のほうに向けた
「ちょ・・・ちょっとま」
タケルは僕の言葉に耳を貸さずに立ち上がった
「じゃあ俺これから藤花さんの情報集めてくるから!あッ心配すんなよ!邪魔しないから!!」
「だから違」
「じゃあな!!アデュ~!!」
タケルは泳ぐように走ってドアから姿を消した
そのあと「おいこらそこ!走るな」という先生らしき声と「す、スンませ~ン!!」というマヌケな友人の声が廊下に響いた