君のそばにいるだけで。
クラスメイト
チャイムが鳴ると、ハゲの担任が教室に入ってきた。
「今日は、このクラスに入る転校生を紹介する。」
担任が言うと、生徒は皆、騒ぎ始める。
「女!?男!?」
「美女!美女!」
「カッコいい人がいい!」
騒がしい生徒に先生は、
「静かに!それじゃあ、紹介する。今日からこのクラスメイトの大野純平だ。」
そう言うと、皆の声は静まり、今から来る転校生に期待を膨らませていた。
希姫も目を輝かせて待っている。
そして、出てきたのは、見覚えのある顔だった。それは、コンビニで逢った、黒髪の男子だ。
次の瞬間、あたしと純平は目が合い、すぐに視線を床に落とす。
担任が、
「大野は、佐々木優愛の隣の席に座れ。」
あたしは、担任の言葉に目を大きく見開いた。
純平は、何のためらいもなく、あたしの隣の席に座った。
あたしは、隣にいる純平に戸惑っていると、
「よろしくな!」
と、純平から声をかけてきた。
純平の真っ黒の瞳があたしを見つめる。
あたしはただ、
「うん。」
と、頷くだけだった。