私のお人形
「でもね、なんでうちになんか来るの?」

セーラはしばらく黙っていた。

何かを考えているように。

「あの子は人間に復讐したいのよ。自分を封印したのは人間だから」

「え…でも」

「おもちゃ屋でユリちゃんと目があったでしょ。ユリちゃんにならとり憑けるって考えたんだよ、きっと」

「わ、私にとり憑いて、どうするの?」

「ユリちゃんの体をのっとるつもりなんだよ。あいつ…」

「どうしよう…怖い」

「大丈夫、私がついているから。私がユリちゃんのこと守るから」

私はセーラのことを抱きしめていた。

怖くて怖くてたまらない。

悪魔に自分の体をのっとられたらどうしよう。

体がぶるぶる震えていた。
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