私のお人形
オーバーオールを着た白人の男の子の人形。

ちょっとやんちゃそうでかわいらしい。

そんな怖い映画につながるとはとても思えない。


「あなたはこんなにかわいいのに。かわいそうね、怖がられて」

なんだかそのまま立ち去るのも忍びなくて、私はチャック人形に話しかけた。



そのとき、人形の首がかくんと落ちた。

まるで私の言葉にうなずいたように。



――気のせいよね。

たまたま首がずれただけだよね。



「ユリちゃん!」

ママが呼んでいる。

「こっちのお人形なんかいいんじゃない」



そうだ、早くプレゼント決めなくちゃ。

私は小走りでママの方へ向かった。
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