私のお人形
「ママ?」

「ごめんね。ユリちゃん、ママが悪かったわ。大人の勝手で離婚なんかして本当にごめんなさいね」

リビングに続くドアが開いている。

セーラが床に転がっているのが見えた。



「セーラ!」


私はママの腕を振り解き、セーラのもとに駆け寄った。

セーラは髪を三分の一ほど引き抜かれ、右目がえぐり取られていた。

そして腕はありえない方向に曲げられ、左足はちぎれかかっている。

ピンクのかわいらしいドレスははさみで切り刻まれたかのようにぼろぼろ。



「チャックだわ! チャックがやったのよ!!」


なんてひどい!

私はセーラを抱きしめて、泣きじゃくった。

ママが後ろから私のことを抱きしめてくれていた。


「ユリちゃん、チャックなんかいないの。いないのよ…」

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