私のお人形
私は右手を差し出し、ママの目の前にチャック人形を出す。

「チャックじゃないでしょ。ただのライオンのぬいぐるみよ」

ママは困ったような顔で笑っている。

私の右手がつかんでいたのは、ママの言うとおりだった。

チャックではない。

ただのライオンのぬいぐるみ。

おかしいよ、確かにチャックが「ハロー」って笑ったのに。

どうして?




「相崎さん」

ママと私はそれぞれ別の部屋に連れて行かれた。



私が入った部屋は、小さかったけどとてもきれいでたくさんのおもちゃが並んでいた。

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