私のお人形
「この子がいいんじゃない」

ママがすすめたのは、ピンクのドレスを着た金髪の巻き毛の女の子だった。

「しかもね、いろいろお話もできるんだってよ」

箱の裏を見ると、人形は簡単な受け答えならできると書いてあった。

「ママが仕事にいっている間、寂しくないでしょ」

ママは去年離婚した。

だから私は今ママと二人きりの生活。

私を育てるためにママは毎日仕事にでかける。

帰ってくるのは夕方の6時くらい。

確かにママがいなくて寂しいって思うときもある。

でもお仕事だってわかっているから、その気持ちをママには言ったりしない。

< 3 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop