私のお人形
■夢と現実
「ユリちゃん、おはよう」
ママはいつも笑顔だった。
「しばらく休む」って言葉どおり、ずっと家にいる。
お金を稼ぐのはママしかいないのに、こんなんでうち大丈夫なのかなあ。
私は少し不安になる。
そんな気持ちを知ってか知らぬか、ママは手作りおやつなんかを作って家で待っていてくれた。
ママの「お帰り」って声はなんだか甘ったるくて、それだけで私は嬉しくなる。
「ねえ、ママ。お仕事行っていいよ」
「いいの、ユリはそんなこと気にしなくて」
「だってもう、チャックも見えないし」
ママの顔がぱっと輝いた。
「本当なの? もう見えないの?」
「うん。セーラだって話さないよ」
ママは「そっか」と言ったきり黙ってしまった。
私の手を強く握り締め、なんども「よかった」って繰り返していた。
ママはいつも笑顔だった。
「しばらく休む」って言葉どおり、ずっと家にいる。
お金を稼ぐのはママしかいないのに、こんなんでうち大丈夫なのかなあ。
私は少し不安になる。
そんな気持ちを知ってか知らぬか、ママは手作りおやつなんかを作って家で待っていてくれた。
ママの「お帰り」って声はなんだか甘ったるくて、それだけで私は嬉しくなる。
「ねえ、ママ。お仕事行っていいよ」
「いいの、ユリはそんなこと気にしなくて」
「だってもう、チャックも見えないし」
ママの顔がぱっと輝いた。
「本当なの? もう見えないの?」
「うん。セーラだって話さないよ」
ママは「そっか」と言ったきり黙ってしまった。
私の手を強く握り締め、なんども「よかった」って繰り返していた。