私のお人形
「そうだね、この子にしようかな」



その日、ママと二人で誕生日パーティーをした。

食卓にはろうそくが10本立ったバースデーケーキ、ハンバーグ、フライドポテト…。

私の好きなものばかり。

ママと私が向き合って座り、私のとなりに今日買ったばかりの人形を座らせた。

「こうしてるとまるで3人家族ね」

ママが笑う。

つられて私も笑う。

「そうだ、名前は? 名前、つけなくちゃ」

確かに何か名前をつけたほうがいいと思う。

どうしようかな…。

「セーラにする」

私は小公女セーラがかわいらしいお人形を持っていたことを思い出した。

お人形の名前が思い出せなかったので、その持ち主セーラの名前をもらうことにした。

「セーラか。いい名前ね」

ママが笑う。

「ねえ、セーラ。私のかわりにユリちゃんのことよろしくね」
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